映画まつり

〜シタマチ.ハロウィンコラボ企画〜

無料鑑賞

2018年10月27日(土)・28日(日)
江戸まちたいとう芸楽祭 映画まつり
〜シタマチ.ハロウィンコラボ企画〜

2018年10月27日(土)

漫画やアニメのキャラクターが最も多いでしょうか。他にもヴァンパイアやゾンビ、囚人に落ち武者など、思い思いの仮装をした方々が、おかちまちパンダ広場を行きかっています。日差しが暖かい十月下旬。シタマチハロウィンコラボ企画と題し、江戸まちたいとう芸楽祭~夏の陣~を締めくくる「映画まつり」が幕を開けます。


映画『ゴーストバスターズ』にちなんだコスプレをされた西村喜廣監督は、特殊造形プロデューサーであられます。「特殊メイク体験」は、非日常を味わうことのできる機会になったに違いありません。親御さんとともに来られたお子さまは、どのようなメイクをするかについて、西村監督とお話をしながら決めていきます。メイク中は、普段意識的には使わないような顔の筋肉をなんとか動かしながら、どのような仕上がりになるのか、期待と不安が入り混じったような表情をされているお子さまがほとんどでありました。
まるでガラスの破片が刺さっているようなメイクはとてもリアルであり、鏡でご自身のお顔を確認されるお子さまからは「怖い!」「面白い!」という感想が上がっていました。ゾンビやヴァンパイア、さらには台東区らしいパンダのメイクをされたお子さまもおられました。他のものとは異なり、パンダのメイクをされた方からは「かっこいい!」という声が聞こえてきました。


体験を終えたお子さまは、プロのメイクを周囲に自慢するように、とても軽い足取りで街に繰り出していきました。特殊メイク体験のブースには、思わず足を止め、お子さまの顔にメイクが施されていく様子を興味深そうに眺めておられる方が多くおられました。プロの技を、文字通り体験するという経験は、参加されたお子さまはもちろん、一緒に来られたご家族の皆様の忘れられない思い出になったに違いありません。


おかちまちパンダ広場に設置されたステージの前には、観客の方々が多くおられます。普段浅草リトルシアターに出演されている芸人の皆様によるお笑いライブ、「出張 浅草 爆笑!お笑い六区」は、たくさんの道行く方々を引き寄せていました。この日MCを務められた閃光花火のお二人による絶妙な掛け合いに、会場はお笑いムード、言い換えるならば「どのようなネタが見られるのだろう」という期待感に包まれます。前半はチングーズさん、あかまるさん、バジトウフーさんが、後半はゆかりてるみさん、おちもりさん、スクランブルエッグさん、そしてヤマメさんがそれぞれ個性的なネタを披露されました。


観客の皆様の中には、登場された方々をご存知の方も多くおられ、そのような方々はステージのすぐ前、観客席の最前列で声援を送っておられました。一方、他のステージの鑑賞に来られた方や通りがかりの方など、出演された芸人の皆様をこの日初めて見、知ったという方もおられました。そのような多様な観客の皆様を思わず笑わせてしまう「お笑い」の力には、なにか特別なものを感じずにはいられませんでした。中には、「あのコンビの名前は何ですか?」とスタッフに尋ねてくださるお客様もおられ、注目度の高さを伺うことができました。


お笑いライブが終わると、それまで特殊メイク体験をしてくださっていた西村喜廣監督が登壇されました。実際にメイクを施されたスタッフとともにマイクを握られた西村監督には、今回のみならず、これまでも台東区のイベントにおける同様の体験にご協力をいただいてきました。数多くの「作品」を世の中に送り出される西村監督のご活躍に、今後も目が離せません。


夏の陣が始まった当初は、午後六時はまだまだ明るかったのですが。十月も下旬となると、同じ時刻にもかかわらず、すっかり日も落ちて肌寒さすら感じられます。そのような、作品にとってはいわば絶好の気候の中、映画『ゴーストバスターズ』の上映が始まりました。開始十分前ほどには、立ち見の方もおられるほどの超満員となった会場には、コスプレ姿のまま、あるいはカップルで、さらにはご家族で来られた方もおられました。カボチャの提灯と、白と青のイルミネーションが輝くパンダ広場は、素敵なムードで包まれておりました。


作品の独特な世界観に、思わず口が開いてしまっているお子さまもおられました。集中して作品に観入っている方はもちろん、一緒に観ている方と何かを話しながら鑑賞をされる方もおられます。中にはご家族で、持参されたお弁当を食べながらご覧になる皆様も。さらに、仮装をして一日街中を練り歩いたと見受けられるお子さまは、ビニールシートの上で足を伸ばしながらスクリーンを眺めていました。このような映画会に、これまで何度か参加させていただいた筆者は、そのすべてに共通して抱いた感想があります。それが、映画館で観る映画との違いです。つまり、ある程度自由に映画を鑑賞できるというのは、野外上映における大きな利点の一つであると言えるのではないでしょうか。


エンディングが流れると踊り出すお子さまがおられたこと、また会場を後にするお客様の多くに笑顔が見えたことからも、シタマチハロウィンコラボ企画と称して行われた映画まつりは大成功に終わったと言えるでしょう。ご家族皆様で仮装をされている方や、仮装をされたお子さまと一緒にハロウィンを楽しむ親御さん。大人から子どもまで、幅広い年齢層の方が参加されたイベントということもあり、いわゆる若者の活気にあふれるハロウィンとは異なる、微笑ましい、柔らかい印象を筆者は抱きました。


10月31日を目前に控えた週末。SNSなどでは、台東区で行われるシタマチハロウィンについて「イメージがない」という書き込みも見られました。確かに、台東区は古き良き日本、「和」のイメージが強いと言えるかもしれません。しかしそのようなところで行われるハロウィンの企画だからこその趣というのもまた、そこにはあるように感じられました。


レポート:芸楽祭ボランティア 頓所夕弥

2018年10月28日(日)

映画まつり2日目。たいとう音頭ダンスコンテスト優勝チームによるパフォーマンスから、芸楽祭プログラムが始まりました。出場したどのチームも素晴らしいパフォーマンスを披露し、会場は大盛り上がりとなりました。


あたりが暗くなってくると、「三ツ星カラーズ」の上映の時間です。上映前からたくさんのファンの方が上映を心待ちにしており、上映中もとても楽しんで鑑賞していただきました。


「三ツ星カラーズ」の後は、江戸まちたいとう芸楽祭夏の陣を締めくくる映画「メン・イン・ブラック」の上映が始まりました。会場付近を通りかかった方も、足を止めて、映画を見ていらっしゃり、好評を博すことができました。


レポート:江戸まちたいとう芸楽祭事務局