殺陣（たて）に挑戦！

心地よい晴天に恵まれたなか開催された本プログラムでは、「親子クラス」「キッズクラス」「一般クラス」の３つの体験プログラムに、多くの参加者が集まりました。年齢層に合わせてプログラムが分かれており、初めて刀に触れる子どもから本格的な所作に挑戦する大人まで、会場には終始活気があふれていました。

最初に行われたのは、親子で一緒に学べる「親子クラス」です。まず初めに、参加者は好みの帯を身に着け、体操で体をほぐしてから体験がスタートしました。キッズ用の刀を手にした子どもたちは、本物さながらの刀の重みに目を輝かせ、慣れない手つきで刀の扱い方をひとつずつ丁寧に学んでいきます。

鏡を見ながら行う自主練では、思うように刀が抜けず失敗を重ねつつも、親子で向かい合いながら少しずつ上達する姿が印象的でした。続く「正眼の構え」からの振り下ろしなどの基本動作の稽古では、子どもたちの元気な掛け声が響きます。倒れ方の練習になると、役者さながらに“かっこよく倒れる”工夫を楽しみながら挑戦していました。
最後は親子ペアで斬る・斬られる役に分かれて挑戦し、決め台詞を言いながら演じ切ると、会場からは笑いが起こり、和やかな雰囲気のまま終了しました。

続く「キッズクラス」には、沢山の小学生が参加しました。準備運動から大きな声で取り組み、会場は始めから熱気に包まれます。中には、初めて刀剣に触れる子も多く、刀の抜き差しでは失敗を重ねながらも、鏡を見て動きを確認し、手元を見ずに抜き差しをすることの難しさを実感していました。
ペアで対面になり、払い斬り・袈裟斬りなど「米」の字をなぞるように行う打ち込み稽古では、子どもたちの真剣な表情と「えい！えい！」という力強い声が響き渡りました。各ペアの発表では、それぞれが考えた決め台詞を披露することで、個性豊かな演技が見られました。

最後の「一般クラス」には、中学生以上から大人まで幅広い参加者が集まりました。自分に合った長さの刀剣と帯を選び、まずは抜刀・納刀の基本の動作を体験しました。四股立ちでの振り下ろしや「米」の字に沿った型の練習では、慣れない動作に真剣に取り組む姿が見られました。その後のペアでの立ち合いでは、天地の斬り合いや鍔迫り合いなども取り入れ、ペアごとに動作の組み合わせを相談しながら仕上げていきます。
最後に１組ずつ発表が行われ、どのペアも個性の光る立ち回りを披露しました。協力して作り上げた個性豊かな立ち回りに、参加者同士で拍手が送られました。

刀の重み、所作の美しさを肌で感じられる各クラスは、年齢に合わせた難易度の中に殺陣の楽しさが自然と織り込まれており、参加者からは笑顔が絶えませんでした。親子、子ども、大人と幅広い世代が本格的な殺陣と真剣な演技を楽しむ、充実した時間となりました。